今作は、実話が元になったノンフィクション作品です。
第二次世界大戦終戦後、日本軍や民間人がソ連によって、シベリアに抑留され、長きにわたり強制労働をさせられた。
そのうちの1人「山本幡男」という人物。
彼がダモイ(帰国)するために、「希望」を捨てず、生き続ける人生を描いた作品。
とまぁ前置きはここらへんで、いってみよ〜〜。
「ラーゲリより愛を込めて」はどんな作品?
監督は、成人向けの映画、ピンク映画で四天王と呼ばれた「瀬々敬久」。
一般映画でもヒット作を連発させている。
主な代表作は、妻夫木聡主演「感染列島(2009)」、佐藤健・土屋太鳳主演「8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017)」、菅田将暉・小松菜奈主演「糸(2020)」などなど。
主演は、嵐のメンバーで映画やドラマ、バラエティと幅広く活躍する「二宮和也」。
主な代表作は「GANTZ」シリーズや「浅田家!(2020)」、「アナログ(2023)」などなど。
出演者には、特撮で俳優デビュー「侍戦隊シンケンジャー」にシンケンレッド役で出演した「松坂桃李」。
DNO…DAIGOの奥さん「北川景子」が山本幡男の山本モジミ役で出演。
山本幡男の元上官・原幸彦役に「安田顕」。日本軍軍曹・相沢光男役に「桐谷健太」などなど。
またラストで父・山本幡男を回想する息子・山本顕一役に「寺尾聰」が出演。実は過去にドラマ版で山本幡男を演じている。
スタッフ・基本情報
監督 | 瀬々敬久 |
脚本 | 林民夫 |
原作 | 辺見じゅん 「収容所(ラーゲリ)から来た遺書(1989)」 |
製作 | 平野隆 下田淳行 刀根鉄太 辻本珠子 |
製作国 | 日本 |
日本公開日 | 2022年12月9日 |
上映時間 | 133分 |
ジャンル | 戦争/ドラマ |
原作 辺見じゅん著 「収容所から来た遺言」
「ラーゲリより愛を込めて」サブスク配信状況 7社
動画配信サービス | 配信状況 |
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U-NEXT | ✕ |
Hulu | ✕ |
Netflix | ✕ |
Amazonプライムビデオ | ○ |
Disney+ | ✕ |
DMM TV | ✕ |
【TSUTAYA DISCAS】 | ○ |
配信状況は変更の恐れがあります。各サイトで確認をおすすめします!
「ラーゲリより愛を込めて」主な登場人物
山本幡男…二宮和也
満鉄(南満洲鉄道)に勤務している。ロシア語が喋れる。妻モジミと幼い子供が4人いる。
学生時代より、ロシア文学に興味を持っていた。
前向きな性格。人に弱みを見せず、周りを励まし続ける。
山本モジミ…北川景子
山本幡男の妻。4人の子供とともにハルビンから逃げ、日本に帰国する。
幡男が返ってくることを常に信じている。
松田研三…松坂桃李
山本とともに収容所に入れられる。気弱な性格で、自分に自身がない。
山本幡男の人柄を見て、過酷な収容所で成長を見せる。
母に再び会うために、生き延び続ける。
相沢光男…桐谷健太
日本軍の軍曹。階級がした山本に歯向かわれ、激怒する。
収容所に入ってすぐは、山本と険悪な仲だった。
しかし徐々に打ち解け合い、妻と子供がいることを明かす。再開することを目標に生きる。
原幸彦…安田顕
ハルビン特務機関で山本の上官だった人物。6大学・慶応大の元4番。
ハバロフスク収容所に先に収容されていた。
山本との再開時は、顔にあざを作り、完全に心を閉ざしている状態だった。
新谷健雄…中島健人
収容所内で、常に明るくムードメーカー的存在。
生まれつき右足が悪く、戦争に行っていない。しかし父の影響で、漁をしているときに、ロシア軍に捕まり収容されてしまった。
学校にも行っていなかったため、字が書けない。そのため山本に字を教えてもらう。
「ラーゲリより愛を込めて」あらすじ
第2次世界大戦後の1945年。シベリアの強制収容所( ラーゲリ)に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみで重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、山本幡男(二宮和也)は生きる希望を捨てず、帰国(ダモイ)を信じて周囲の人々を励まし続ける。仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。そして自身も日本にいる妻・モジミ(北川景子)と子どもたちと過ごす日々を強く信じていたが、山本の体は病魔に侵されていた…。彼を慕う ラーゲリの仲間たちは、山本の想いを叶えようと思いもよらぬ行動に出る。そしてモジミに訪れる奇跡とは――
「Filmarks」より
「ラーゲリより愛を込めて」感想
以降、ややネタバレを含む感想になります。
非常に壮絶な本当にあった物語。
山本幡男という人は、本当に強い人だと思いました。自分に絶対マネできない。
こんなことが現実にあったのかと思うと、やっぱり戦争は繰り返してはならないと感じました。
とまぁここからは「見どころ感想」2つ紹介していきます!
家族のために「生きる」
過酷、絶望的な環境の中でも、家族のために生きる。
第二次世界大戦末期、ハルビンで暮らしていた山本幡男とその家族。
ハルビン現地で招集され兵士になった山本だったが、世界大戦に日本は敗れ、捕虜としてロシアのラーゲリ(収容所)に送られる。
幸い、妻と4人の子どもたちは日本に帰国することが出来た。しかし山本は負傷し「すぐにまた会える。日本で落ち合おう」という言葉を最後に、家族は離れ離れとなる。
スベルドロフスク収容所では過酷な労働を強いられた。
しかしその後、日本軍の捕虜は帰国が許可され、シベリア鉄道に乗せられた。
みな安堵する中、途中で列車が停まり一部の捕虜は「スパイ容疑」など、重罪を犯した戦犯として矯正労働を強いられた。その期間25年。
山本幡男もその中に含まれていた。
連れて行かれたのはハバロフスク収容所、氷点下40度にもなる環境の中、過酷な労働が再び始まる。
そんな生き地獄のような場所で、みな生気を失う。だが、山本は違った。
家族に会うため、日本に帰るため、周りを鼓舞しながら、必死に生き続ける。
令和を生きる人間には、到底理解出来ない、耐えられない出来事だと思う。
生きる環境が、全てにおいて「最悪」と言って言い。
そこで労働。まじで生き地獄。逃げたら銃殺。
「残業が100時間以上」とか「パワハラ上司」ってのが可愛く見えると思う。
後世に残したい作品だと思いました。
書いた文字は「記憶」に残る
「頭の記憶は誰にも奪えない」
新谷健雄は、生まれつき右足が悪く、戦争に行っていない。
父の影響で漁師をしていた。そのため学校にも行っていなかった。しかしその漁の最中、ロシア軍に捕まり、捕虜となってしまった。
ある日、新谷は山本幡男に字の教えを請う。
新谷は必死に字を書き、俳句を作った。しかしロシア軍の検査が入り、「字を書き残すことは、スパイ行為」という理由で没収されってしまう。
彼が落ち込んでいると山本は「書いた文字は記憶に残っているだろ?記憶に残っていればそれで言い。頭で考えたことは誰にも奪えない」と励ます。
そしてこの言葉は、後に山本が「念のため書き残す遺書」にも応用されることになる。
この「遺書」が今作1番の感動ポイント!
ネタバレはしません。本編観てください。
文字を書くことは、スパイ行為なんです。そのために…。
「ラーゲリより愛を込めて」まとめ
「☆4/☆5」。めちゃくちゃいい映画だった。
ただちょっと気になったのは、ハルビンへの空襲のときの映像がちょっとダサい。
ほんと最初なんだけど、日本の映画だな〜と思ってしまった。(笑)
まぁほとんどの人が、気にならないとは思うけど…(笑)
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